製造業領域での実績|兼松秀樹
PORTFOLIO — MANUFACTURING

前提がない。専用機もない。
それでも動かした25年。

製造業の現場で一貫していたのは「誰も答えを知らない状態から動かす」という経験です。専用機が市場に存在しない量産立ち上げ、3年間要件定義が完了しなかった基幹移行、スパゲッティ状態の部門システムの構造解読。

提言書を出して終わりではなく、実際に手を動かして動かした実績が判断の根拠になっています。

🏆

大河内記念特別賞(受賞)

次世代ディーゼルターボ用インペラの量産加工技術確立。加工ロジックは15年後も再最適化不要と評価。試作機9種×4メーカーの並行検証から単価1/10の量産体制を個人裁量で主導した技術基盤が評価された。

主な実績


MANUFACTURING — 2003〜2008

次世代ディーゼルターボ用インペラの量産立ち上げ

対象
航空機・ターボ部品製造事業部
期間
約5年間
役割
工作機械選定・加工方法開発・量産体制構築(個人裁量で主導)

BEFORE
  • この用途に適合する専用機が市場に存在しない
  • 部品単価は大型品の1/10が必要で採算が不明
  • 「高付加価値路線からの逸脱」と社内で懐疑論
  • CAMの先端線制御が謳い文句ほど機能しない
AFTER
  • 試作機9種×4メーカーを並行検証し量産体制確立
  • 部品単価1/10を実現。仕様変更交渉もメーカーと直接実施
  • FANUC RoboDrill 100台以上を導入。2026年現在も稼働中
  • CNCパラメータ動的書き換えで外観不良を解消(当時前例なし)
判断のポイント:ポストプロセッサを自社開発していたから「なぜこの速度になるのか」の原因追究ができた。市販ツールを使っていたら「なんでだろう」で終わっていた。道具を自分で作ることが判断の精度を上げる。
5軸加工 CAM制御設計 CNCパラメータ 工作機械選定 大河内記念特別賞
MANUFACTURING — 2022〜2024

3年迷走した基幹移行プロジェクトの止血

対象
航空機部品製造事業部(従業員約1,200名)
期間
2022年後半〜2024年
役割
WebAPI基盤設計・実装(保守担当実質2名体制)

DBの種類すら3年間確定しなかった。スタートアップやコンサルと次々と面談し「業界トレンド」に敏感になった管理職のもとで、要件定義すら完了しない状態が続いていた。

「前提が固まるのを待たない」という設計判断がここで機能した。

DBへのアクセスをプログラムから完全に切り離すWebAPIを選んだのは、技術的洗練のためではなく、「不確定な環境下で唯一破綻しない構造」として選択したからだ。

BEFORE
  • 3年間で要件定義すら完了しなかった
  • DBの種類・設計がいつ変わるかわからない
  • 200本超のレガシーRPGが手つかず
  • 保守担当者の定年退職が見えていた
AFTER
  • WebAPI基盤を実装し全社リアルタイムアクセスを実現
  • DB設計変更をAPI側で吸収する疎結合構造を確立
  • SQL生成エンジン(「金型」)を配布し次世代への退路を確保
  • 高額投資による全置換を回避
判断のポイント:SQLのハードコーディングを禁止し、DB設計の「無理な継ぎ足し」を構造的に封じた。保守担当2名という体制の中でも、確定した部分から段階的に動かしていく設計が唯一の正解だった。
VB.net WebAPI設計 疎結合アーキテクチャ レガシー延命
MANUFACTURING — 2014〜2022

部門間データ連携システムの設計・実装(繰り返しパターン)

対象
航空機部品製造事業部(設計・製造・品質保証・工具部門等)
期間
2014年〜2022年前半
役割
1事業部SEとして各部門の開発案件を単独で担当

「個別案件の救済要請を受ける → 構造を紐解く → 部門間でデータが重複・非連携であることを特定 → 連携基盤として再設計・実装する」というパターンが繰り返し発生した。

代表的な案件

図面差分比較・規格値読取システム(品質保証部門)

OCR検証→責任所在の問題から自動化範囲を限定→WPF実装→WebAPI化。生産技術・製造・品質保証の3部門連携に発展。「自動化すべきでない領域の線引き」を判断した典型例。

コントロールプラン対応(生産技術部門)

個別のExcel救済要請として入ったが、部門間で管理機能が重複・非連携であることを特定。個別救済ではなく部門間データ連携システムとして再設計した。コントロールプラン生成はその出力機能の一つとして位置づけ。

IoT実装:RGB積層TIFF画像マッピング(工作機械メーカーとの共同研究)

メーカーDBがボトルネックとなるため、信号データを16bit TIFF/PNG画像のピクセル領域に格納する手法を独自構築。後のAI技術(CNN等)への転用において教師データとしての適合性が極めて高いデータ構造であったことが事後的に証明された。

共通する判断軸:「自動化は現状把握を強制する」「技術が成立しても、期待値と責任設計が噛み合わなければ使われない」。この2点が全案件を通じた判断の基準になっていた。
CATIA Automation WPF IoT 部門間連携設計 自動化範囲の線引き

25年間で一貫していたこと


職種は変わった。技術は変わった。担当する課題も変わった。ただし詰まる場所は毎回同じだった。

詰まる場所「標準をどこに引くか決められない」「要望を具体化できない」「導入後に誰も検証しない」
対処の原則前提が固まるのを待たない。確定した部分から動かす。不確定な部分はAPIで吸収する。
線引きの原則内製で保守できない技術は入れない。自動化すべきでない領域は人間が判断する。
道具の選び方技術的洗練ではなく「この環境で唯一破綻しない構造」を選ぶ。

話せるテーマ


  • 基幹システム移行が止まっている・迷走している組織の構造診断
  • レガシーシステム(AS400・RPG・DB2・Oracle混在環境)の延命設計と出口戦略
  • 属人化したシステムの構造解読・ドキュメント化・後継体制の設計
  • WebAPIによる疎結合アーキテクチャ設計(DB種別・設計が不確定な環境での実装)
  • 自動化の投資判断:内製継続か外注化か・やめるかの見極め
  • 製造業でのIoT・AI活用の実態(教師データ設計・現場への導入判断)
  • 5軸加工・CAM制御設計・量産立ち上げ(航空機・ターボ部品)

相談・インタビューの依頼


製造業領域のシステム課題・IT投資判断について、スポットインタビューから4ヶ月固定介入まで対応します。まずは状況をお聞かせください。

兼松秀樹|システム介入×組織設計 LinkedIn

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